今回想い出を書くのは、ザ・グレートカブキ選手。
今でもTBSテレビ「クイズ正解は1年後」に出演されたりしていますし、
「毒霧」だけは知っているよ
という方もいらっしゃるのではないでしょうか
先日、そのザ・グレートカブキ選手の自伝を読みましたので、その感想や想い出をご紹介したいと思います😊
日本プロレスの「香り」が残るレスラー
ザ・グレートカブキ選手は、本名を米良明久さんと言い、1948年生まれの現在72歳。
1998年に一度現役を引退をしますが、スポット的にリングに登場することもあり、あまり引退したレスラーというイメージはありませんでした。
2017年にノアのリングで正式な引退試合をしていますが、冒頭のように、テレビ番組でも求められれば、顔にペイント、手にはヌンチャクを持って、口から毒霧を吐くというパフォーマンスは今も健在です。
カブキさんは、1964年の10月に日本プロレスでデビューした、格闘歴50年以上の大ベテランです。
日本プロレスを興した力道山さんは前年の1963年に亡くなっていますので、直接指導を受けたりというのは無かったみたいですね。
自伝を読んで印象に残ったのは、後に日本プロレスの社長になる「芳の里」さんの評価です。
カブキさんの最初のリングネームは「高千穂明久」。
宮崎出身の地名にちなんでの命名ですが、これも芳の里さんがつけたそうですね。
日本プロレスを崩壊に導いてしまった社長・芳の里さんは、ジャイアント馬場さん、アントニオ猪木さんら主力選手を離脱させてしまった張本人であり、日本のプロレスの歴史では、決して良い評価・イメージというのは得られていません。
ですが、カブキさんは、海外遠征時のリングネームを「ヨシノ・サト」とするなど、決して悪い印象を持っていないようです。人間の評価は、決して一通りではないという証の一つだと思います。
プロレスラーの自伝を読んで面白いのは、どのレスラーが、どのようなレスラーのどんな点を評価しているか分かるところですね。
日本のプロレスの原点、本流ともいえる「日本プロレス」でレスラーになった選手は、もうだいぶ少なくなってしまいましたけれど、カブキさんは、その「香り」を感じさせてくれる貴重な存在だと思います✨
ペイントレスラーの先駆け
カブキ選手を世界的プロレスラーに押し上げたのは、何と言っても
顔のペイント
ですね。
日本プロレス崩壊後しばらくして、日本を離れてアメリカでプロレスを続けていたカブキ選手ですが、当時のマネージャーから、「歌舞伎を取り入れたマスクマンになってくれ」と言われたのが、ザ・グレートカブキ誕生のきっかけとなります。
「それならマスクではなくて、顔にペイントするのが良いだろう」として生まれた新スタイルが、当時のアメリカで大ブレイクにつながります。
ペイントも複数種類ありましたし、当時のアメリカには存在しなかった新しいスタイルで、いつも同じペイント、同じ格好、同じ動きを繰り返さないこと、お客さんを飽きさせないことに注意したことが成功につながったと、ご本人も語っています。
アメリカの巨大スタジアムのメーンイベントで試合をするまでの成功を収め、カブキさんは世界的トップレスラーの評価を得ることになりました。
以後、カブキさんのマネをして、顔にペイントをするレスラーが続々と出てきます。
その中からは、ロードウォリアーズなんていう怪物コンビも生まれた他、海外遠征した武藤敬司選手が扮した「グレートムタ」は、「カブキの息子」として売り出して成功を収めることになりました。
今でもミステリアスであり続ける「毒霧」の仕掛け
毒霧は、いくつかの謎に包まれた存在です。
緑色だったり、赤色だったり、ゴング開始前に吹いたり、突然吹き出すこともある。
「臭い」という人もいれば、「無臭だ」という人もいる。
何人かのレスラーは、「リングに上がる前から準備している」、「指のバンテージに隠している」と、そのヒントらしきものを口にしていることもあります。
でも、カブキさんの口からは、その秘密についてはほとんど明かされていません。
「他のレスラーは知らないが、私のやり方は秘密だ」
と言われれば、それは永遠に謎じゃないですか。
手品と一緒にしたらカブキさんは怒るかも知れないですが、どんなに種明かしをされた手品であっても「その人の方法はそうかも知れないが、だが私はどうだろう?」
と言われたら、「それは違う」とは誰にも言い切れませんよね。
ザ・グレートカブキの毒霧が唯一無二の存在であり続けたのは、レスラーのプライドを守り通したカブキさんへの最高のプレゼントだったのかも知れませんね。
今回の記事は、
“東洋の神秘”ザ・グレート・カブキ自伝 (G SPIRITS BOOK)
を読んだのをきっかけに書きました
電子書籍版もありますし、中古でも送料込みで1000円程度で買えます。
中古って、いつでも買えると思うといつの間にか値上がりしてしまうこともあるので、良かったら手に取ってみて下さい😄
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