技のデパート、平成の牛若丸
舞の海さんは、出羽の海部屋の大相撲力士として、1990年5月場所から1999年11月場所まで約10年間の現役生活を送られました。現在もテレビ等で活躍されているので、ご存知の方も多いと思います。
今の大相撲は、炎鵬関を代表格に小兵力士たちの活躍が目立ってまた土俵を盛り上げてくれていますが、私にとって小兵力士と言えば、舞の海さんが一番でした。
名勝負と言われる後々まで残る一番を数多く残してきた舞の海さんですが、曙さんや小錦さんなどハワイ勢の大型力士との対戦がとても記憶に残っています。「猫だまし」や「八艘飛び」は当時としてもかなり画期的というか、おおいに注目を集め、流行語っぽく扱われたんですよね。智ノ花さんとの小兵力士対決も楽しみでした。
率直なコメントが信用できます
引退後は指導者として相撲界に残ることはせず、解説などのお仕事に進まれました。タレントとしての活動もされています。
私は「ぶらり途中下車の旅」に出演される舞の海さんもとても好きです。
適度にツッコミどころがあって、のんびり見ることが出来る同番組ですが、舞の海さんは、まず
「率直な感想を第一声で発する」
「美味しいと思わないものは美味しいと言わない」
ところが信用できます。表情、態度も「相手に失礼」ということはありませんが、私から言わせると「嘘・大げさがない」安心して見ることが出来る「旅人」です。
この番組に限らず、舞の海さんは穏やかな語り口は変わらず、思想・信条についてしっかりしたものを持って主張されています。タレントとしては全て有利にはたらくものではないでしょう。私は舞の海さんの主張の全てに賛成という訳ではありませんが、しっかりした芯の強さを持っておられ、それをキチンと発表できるところも、好きなところの一つです。
大相撲中継には欠かせません
舞の海さんは、多くの方がご存知と思いますが、大相撲中継の解説のお仕事もされています。土日や祝日の出演が多めで私としては嬉しいです(^^)
元横綱・北の富士さんとの掛け合いも、舞の海さんのお話をよく聞けるので良いですね。北の富士さんに限らず、上手にお話を引き出しながら、自分で取材したことも紹介してくれます。
現役時代は最高位が小結(1回)なもので、上位力士の話をするのは難しいと思いますが、あの時代に、あの身体で小結まで昇ったと考えれば、凄いことですよね。
相撲は「番付一枚違えば」の世界ですから、その点でも、元横綱で、あの千代の富士さんを抱えた親方でもあった北の富士さんのお話を交えることで、舞の海さんもお話し易いんでしょうね。いつも楽しみに観させてもらっています(^^)
ご紹介する本は、大相撲八百長問題が大きな話題となった2011年に書かれたもので、最初の著作かと思います。舞の海さんなりの表現で、八百長問題をはじめとして、「大相撲とは何か」についてその考えを披露されています。舞の海さんはその後も何冊か本を出されていますが、この本が一番分かりやすくて良くまとまっていると思いますのでおススメさせて頂きました。
コメント